鐘嵐珠の井上キャラみについて
っさをです。
スクスタのストーリーという山鳥の尾のように長々しきストーリーを追っているのですがなかなか読み応えがありますね。ようやく最新章のしっぽが見えてきたところです。
スクスタのメインストーリーを今更ながら追っていても、仄聞してしまうのがスクスタの第2章に関する様々な議論です。pixivで単体記事もあるほどですから、その渦中にいた人には晩御飯が喉を通らないほどの問題であったのかもしれません。
しかし、アニガサキ2期を観た後に、その噂を耳にしたうえでスクスタ第2章に手を伸ばした人間なので、果たしてどんなものが出てくるのかとDoki – Doki♡ Doki – Doki♡していたのですが、なんと出てきたのは井上俊樹先生のキャラの如き鐘さんでした。Twitterを覗いてみると同様の事を考えている人もいるようですね。
今回は、スクスタ2章の是非などは遠くにほっぽり出して、鐘嵐珠というキャラクターが井上俊樹先生のキャラポイントの高さについて書き残しておきたいなと思います。
さて、井上俊樹先生の描くキャラクターがどのようなキャラクターなのか。まず言葉は無用ということで、現在放送中の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』を、まずは1話だけでも、可能な人はご覧ください。
www.tv-asahi.co.jp(日曜朝9:30~テレビ朝日系列で絶賛放送中! 各種サービスでも配信中!)
見れない人もいるでしょうから、概略をpixivから参照してみましょう。
上記の記事で抽出される井上先生のキャラ特徴で、鐘さんに適用できそうな要素を抜き出してみましょう。
・自己主張が激しく、自信過剰
・アクの強い(キャラの濃い)狂人
・一流を気取って強がり
・自己中心的、ナルシスト
・承認欲求(自分の才能を認めてほしい、皆から称賛されたい、等)
・暴走した正義
どうでしょう? なんとなく鐘さんっぽさが出てくる気がしませんか? 「一流を気取って」というところは、一流そのものですので違うかもしれません。
こんな抽象例だけではつまらないので、もう少し具体的に見ていきましょう。
鐘さんは最強のアイドルとしての登場します。スクスタならば「Queendom」、アニメなら「Eutopia」で圧倒的な力を示してきます。これ自体が非常に追加戦士か敵の幹部の登場のように感じますが、問題なのは自身のライブに関する意識です。「ランジュの歌に酔ってたでしょ? ならもうファンよね?」(第20章4話)とあなたちゃんに対して自意識ビンビン120%の言葉を言い放っているのが非常に井上キャラ度が高く、先の要素の自意識過剰とナルシスト、証人欲求を、そしてなんなら狂人の要素も満たしてしまいます。
対比として『超光戦士シャンゼリオン』の黒岩省吾/暗黒騎士ガウザーを出してみましょう。ガウザーは登場初期にシャンゼリオンに対して自らの圧倒的な基礎体力を見せ付けるだけでなく、シャンゼリオンをはじめ市井のウェイトレスにいたるまで「知らないのか?」や「知っているか?」を枕詞に、謎の蘊蓄を垂れ流し、自己の力や知識をみせつける自意識ビンビンな、嫌な嫌な嫌な奴です。
この2人に共通している謎の強気の姿勢は、同時に、彼自身プライドや存在の弱さや脆さを表わしており、鐘さんは『スクスタ』第28章の、ガウザーは『シャンゼリオン』第37話のような行動や結果になっていくのですね。
鐘さんも強気の姿勢を常に持っている大型犬のような存在ですが、スクスタの第2章の終盤であったり、アニメの第9話までに出てくるようなメランコリーな側面がどうにも彼に重なってしまうのです。
他に思い出されるのは先に挙げた『ドンブラザーズ』の主人公・桃井タロウです。桃井さんはなんでも完璧にこなせる存在で、それを自分でも自負しているし、態度は高圧的なので、初見では嫌なキャラに見えます。しかし、その完璧さゆえに嫌悪感を持たれ、幸せと程遠い生活をしてきたために幸せが分からい。だから、誰かを幸せにしてそれを学ぼうとしているのが桃井さんなのです。特別であるがゆえに抱えるメランコリー、このキャラの造形は鐘さんそのものと言ってもいいかもしれません。
こうして見ていくと、ガウザーのように自意識過剰でウザいながらも実力者である御しがたいというヒールを演じる上で必要な嫌な側面と、桃井タロウが共感的を呼ぶ特別さ故の孤独を持っているのが鐘さんなのかもしれません。
何はともあれ、井上先生のキャラに対する好き嫌いは激しく、知り合いごとに好き嫌いが違って中々骨が折れるところです。仮面ライダー好きの知り合いAは『仮面ライダー555』に登場する草加が、別の友人Bは『仮面ライダーキバ』に登場する名護さんが嫌いでしょうがないと言っています。井上キャラに慣れているはずの平成ライダーファンでさえそうなのに、それに似たような造形のキャラクターが爆誕していたのだったら、それは心が動かされて賛否両論になるよなぁと思ったところです。
(了)